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  • 2025.09.20
  • コラム

Infoそのまま売却は損?空き家をリフォームして貸すか売るかの収益シミュレーション

そのまま売却は損?空き家をリフォームして貸すか売るかの収益シミュレーション

相続した空き家をどう活用すべきか迷っている方、現在の低金利時代に不動産投資として賃貸経営を検討している方へ。空き家問題が深刻化する中、「売却」と「リフォームして賃貸」という選択肢で悩まれる方が増えています。

かすみがうら市、土浦市、小美玉市でも多くの方が同様のお悩みを抱えていらっしゃいます。やまや不動産では、地域の不動産事情を熟知した専門家として、数字に基づいた客観的なシミュレーションと、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説いたします。

 

1. 空き家問題の現状と「売るか貸すか」の悩み

空き家総数の増加と社会問題化

総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家総数は約900万2千戸にのぼり、総住宅数における空き家の割合(空き家率)は13.8%と過去最高を記録しています。これは約7軒に1軒が空き家という深刻な状況を示しています。

空き家を放置すると、以下のような問題が生じる可能性があります: - 空き巣や放火の危険性増大 - 建物の急速な老朽化進行 - 周辺環境への悪影響(倒壊や延焼のリスク) - 地域全体の不動産価値への影響

「売るか貸すか」で悩む背景

近年、個人の不動産投資が人気を集めていることもあり、自宅や空き家の売却を検討する際に「貸してみるのもアリかな?」と考える人が増えています。特に低金利環境下で、定期預金よりも高い利回りを期待できる不動産投資への関心が高まっています。

総合的なシミュレーションの重要性

どちらが得かという単純な結論だけではなく、売却と賃貸それぞれのメリット・デメリットを総合的に考慮したシミュレーションが不可欠です。短期的な収益だけでなく、長期的なリスクや管理負担も含めて判断する必要があります。

出典:「令和5年住宅・土地統計調査」総務省

 

2.売却と賃貸、それぞれのメリット・デメリット比較

そのまま売却は損?空き家をリフォームして貸すか売るかの収益シミュレーション

自宅や空き家を「貸す」場合と「売る」場合の主なメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に合った選択肢を見つけるための判断材料としましょう。

詳細比較表
選択肢 メリット デメリット
リフォームして賃貸 継続的な家賃収入(ローン返済、維持費、固定資産税に充当可能)建物の劣化防止(入居者による日常的な管理)将来の居住選択権保持(所有権を失わない) 初期費用の負担(リフォーム、修繕、広告費、仲介手数料等)空室リスク(家賃収入減少、固定費負担)入居者トラブル(家賃滞納、騒音、物件損傷等)税制優遇の失効(住宅ローン控除、特別控除等)退去の制約(普通借家契約の場合)
そのまま売却 即座にまとまった現金獲得(資産形成や新居購入に活用)管理負担からの解放(固定資産税、修繕費等)特定控除の適用(条件により税負担軽減)資産価値下落リスク回避 売却諸費用の発生(仲介手数料、印紙代、登記費用、譲渡所得税等)売却活動期間(市場状況により長期化)所有権の完全放棄(将来的な居住不可)

管理不全空き家は特定空き家の「予備軍」や「前段階」にあたり、管理不全空き家が改善されない場合に特定空き家へ移行するという関係性になっています。

✓ポイント:管理不全空き家の段階で適切な対応を取ることで、より重いペナルティを回避できます。早期発見・早期対応が鍵となります。

出典:「空家等に関するガイドライン」国土交通省

選択の目安

賃貸が適している方: - 定期的な収入を求める方 - 将来的に居住する可能性がある方 - 不動産管理に時間と労力を割ける方

売却が適している方: - まとまった資金が必要な方 - 管理の手間を避けたい方 - 将来的に居住予定がない方

✓ポイント:どちらの選択も一長一短があり、個人の状況や将来設計によって最適解が変わります。感情的な判断ではなく、数字に基づいた客観的な検討が重要です。

 

3. 数字で見る!売却と賃貸の収益シミュレーション

具体的なケースを想定して、売却と賃貸それぞれの収益を試算してみましょう。

設定条件:築20年の3LDK、駅徒歩5分のマンション、売却価格3,000万円、ローン残債なし

売却した場合の試算
諸経費詳細
  • 仲介手数料:96万円(上限=3%+6万円・税抜=3.2%/税込105.6万円=約3.52%)
  • 印紙代(売買契約書):1万円
  • 抵当権抹消登記費用:2~9万円程度(登録免許税+司法書士報酬)
  • その他費用:清掃費、不用品廃棄費など

手元に残る金額:約2,884~2,893万円(手数料は税込、印紙1万円、抹消2~9万円)

追加考慮事項
  • ローン残債がある場合:繰り上げ返済手数料
  • 売却益発生時:不動産譲渡所得税
  • 売却完了まで:固定資産税等の負担継続
賃貸した場合の試算(10年間)
収入設定

月額家賃:8万円(駅近築20年ファミリーマンション相場)

初期投資費用
  • リフォーム費用:250万円
    • クロス張替え
    • 和室から洋室への変更
    • 水回り設備のグレードアップ
  • 賃貸仲介手数料:8万円
  • 火災保険料:20万円(10年間一括)

初期投資総額:278万円

毎月の収支

収入:8万円(家賃) 支出: - 管理費・修繕積立金:1万円 - 固定資産税・都市計画税:1万5,000円(月割)

月間収支:5万5,000円

10年間の収益シミュレーション
期間 累積収入 累積支出 純収益
1年目 96万円 308万円 -212万円
3年目 288万円 368万円 -80万円
5年目 480万円 428万円 52万円
10年目 960万円 578万円 382万円
売却金の運用比較

売却金2,884万円の運用シミュレーション(10年間) - 年利0.20%の場合:約2,942万円(利益約58万円) - 年利0.40%の場合:約3,000万円(利益約116万円)

結果比較: - 売却+運用(0.20%):約58万円の利益 - 売却+運用(0.40%):約116万円の利益 - 賃貸経営(満室想定):約382万円の利益 - 差額:約266~324万円(賃貸が有利)

✓ポイント:単純計算では賃貸の方が有利に見えますが、これは理想的な状況を想定した結果です。実際には様々なリスク要因を考慮する必要があります。

出典:「宅地建物取引業法」国土交通省

 

4. シミュレーションだけでは見えない落とし穴

理想的なシミュレーションでは賃貸が有利に見えますが、実際には多くのリスクと追加費用が発生します。

賃貸経営の主要リスク
空室リスク

シミュレーションは常に満室を想定していますが、実際には空室期間が発生します。人口減少により都市部でも空室率が高いエリアが増加しており、空室時は固定費が収益を圧迫します。

空室率20%を考慮した場合の収益試算: - 家賃収入:768万円(960万円×0.8) - 総コスト:578万円 - 純収益:約190万円(管理委託5%想定で約152万円)

※管理委託料は家賃の3~8%が相場となります。

管理委託費用
  • 自主管理:水道漏れや騒音等のトラブルに自身で対応が必要
  • 管理会社委託:家賃の5~10%程度の委託費(10年で約30~60万円)
突発的な修繕費
  • エアコン故障:10~20万円
  • 給湯器交換:15~25万円
  • 内装修繕:50~100万円(退去時)
税務処理の負担

不動産所得は確定申告が必要です。会計処理が苦手な場合、税理士への依頼費用(年間5~10万円)も考慮が必要です。

売却後の現金活用リスク
インフレによる価値減少

経済情勢の変化によりインフレが進むと、現金の実質的価値が目減りする可能性があります。過去のデータを見ると、日本でも年率2~3%のインフレが発生した期間があり、10年間で約20~35%の価値減少も起こりえます。

投資リスク

定期預金以外の金融商品での運用を検討する場合: - 投資信託:元本保証なし、市場リスクあり - 株式投資:価格変動リスク、企業固有リスクあり - 債券投資:金利リスク、信用リスクあり

✓ポイント:賃貸経営は理想的な状況では高収益が期待できますが、多くのリスク要因があることを十分理解した上で判断する必要があります。

出典: 「宅地建物取引業法」国土交通省 「印紙税法」国税庁
「賃貸管理委託料相場」家主様・オーナー様向けサイト

 

5. 10年後の資産価値を考慮した長期的視点

10年後の資産価値変化も重要な判断要素です。

売却した場合の現金価値

現金は名目上の価値を保持しますが、インフレにより実質価値が減少する可能性があります。一方で、適切な資産運用により価値を維持・増大させることも可能です。

賃貸継続の場合の物件価値
建物価値の減少
  • 築20年→築30年への移行
  • RC造の法定耐用年数は47年だが、市場価値はより早期に減少
  • 築30年物件は売却時の流動性が大幅に低下
周辺環境変化のリスク
  • 新築競合物件の建設
  • 交通アクセスの変化
  • 商業施設や学校等の移転・閉鎖
売却条件の悪化

築20年物件と築30年物件では、売却スピードと価格条件が大きく異なります。よほど立地にプレミアムがない限り、売却条件は厳しくなることを念頭に置く必要があります。

老朽化に伴うリスク増大
  • 大規模修繕の必要性
  • 設備更新費用の増大
  • 災害時の被害リスク増加
資産価値シミュレーション
項目 現在 10年後予想
売却現金(年0.20%運用) 2,884万円 約2,942万円
売却現金(年0.40%運用) 2,884万円 約3,000万円
賃貸物件価値 3,000万円 2,000~2,500万円(推定)
賃貸累積収益(満室) - 382万円
賃貸累積収益(空室20%) - 152~190万円

✓ポイント:長期的視点では、物件の資産価値減少と賃貸収益のバランス、現金の実質価値変化を総合的に判断することが重要です。

 

6. 最終的な判断基準と注意すべきポイント

売却と賃貸の選択は、目先の利益だけでなく、個人の将来設計と出口戦略を考慮して決定することが重要です。

賃貸を選択する際の重要な注意点
住宅ローン残債がある場合

多くの金融機関は自宅使用を前提に融資しているため、無断で賃貸に出すと契約違反になる可能性があります。必ず金融機関に事前相談し、必要な手続きを確認することが不可欠です。

契約形態の選択
  • 普通借家契約:借主保護が強く、退去要求が困難
  • 定期借家契約:契約期間明確、更新は双方合意が必要

将来的に自己使用する可能性がある場合は、定期借家契約の選択を強く推奨します。

管理会社選択の重要性

賃貸経営成功の鍵は信頼できる管理会社選びにあります。 - サービス内容の充実度 - 手数料の妥当性 - 対応の迅速性 - 管理実績と評判

売却を選択する際の注意点
所有権放棄の最終性

売却すれば物件は完全に買主のものとなり、将来的な居住可能性は失われます。親の介護や家族構成の変化など、将来的なライフスタイル変化を慎重に検討する必要があります。

売却費用の詳細把握
  • 不動産仲介手数料(上限=3%+6万円〈税抜=3.2%/税込=約3.52%〉)
  • 印紙税、登記費用
  • 測量費用(必要に応じて)
  • 譲渡所得税(利益に対して課税)
地域特性を考慮した判断

かすみがうら市、土浦市、小美玉市などの地域特性を理解することが重要です: - 賃貸需要の動向 - 人口動態の変化 - 交通インフラの発達状況 - 地価動向の予測

情報収集の積極性

ご自身や家族だけで悩まず、積極的に情報収集を行うことが重要です: - 不動産検索サイトでの相場調査 - 近隣の家賃相場、空室率の確認 - 賃貸経営セミナーへの参加 - 経験者からの情報収集

✓ポイント:最終判断前に、必ず地域の不動産事情に精通した専門家に相談し、客観的なアドバイスを求めることが成功への近道です。

 

7. まとめ

空き家の売却とリフォーム後の賃貸経営、どちらの選択もそれぞれにメリット・デメリットがあります。賃貸には継続的な家賃収入という魅力がある一方で、空室リスクや修繕費、トラブル対応などの課題も多く存在します。売却にはまとまった現金獲得のメリットがありますが、将来の居住可能性を失うことや売却費用の負担も考慮が必要です。

重要なのは、どちらが得かという単純な損得勘定ではなく、個人のライフスタイルや将来設計、資産活用計画全体を見据えた総合的な判断を行うことです。短期的な収益だけでなく、長期的なリスクと管理負担も含めて検討する必要があります。

後悔のない選択をするためには、まず所有している不動産が「今いくらで売れるのか」、また「賃貸に出した場合の家賃相場はいくらなのか」といった相場価格を正確に把握することから始めましょう。やまや不動産では、かすみがうら市、土浦市、小美玉市の地域特性を熟知した専門スタッフが、客観的な査定と詳細なシミュレーションをご提供いたします。

複数の不動産会社に査定を依頼し、地域の実情に精通した専門家からのアドバイスを得ることが、賢明な不動産活用の第一歩となります。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。