- 2025.09.10
- コラム
Info【2025年最新】空き家特措法改正で変わる「管理不全空き家」のペナルティと回避策

相続した実家を遠方から管理しきれずに悩んでいる方、空き家をどうすべきか判断に迷っている方へ。2023年12月に改正された空家対策特別措置法により、「管理不全空き家」という新たな区分が設けられ、従来よりも早い段階で行政の指導対象となる可能性が高まりました。
かすみがうら市、土浦市、小美玉市をはじめとする全国の自治体で、空き家問題への取り組みが強化される中、所有者の皆様には事前の情報収集と適切な対応が求められています。本記事では、やまや不動産の専門知識をもとに、改正内容の詳細と具体的な回避策を分かりやすく解説いたします。
目次
1. 空家対策特別措置法とは?2023年12月改正の要点
法律の目的と概要
空家対策特別措置法は、危険な建物や周囲への悪影響を防ぐために制定された法律です。市区町村が老朽化が進んだ空き家を「特定空家等」として指定し、修繕や取り壊しの勧告を行うことができる権限を定めています。
2023年12月改正の主要ポイント
今回の改正では、行政がより早い段階で空き家問題に対応できる仕組みが導入されました。
「管理不全空き家等」の新設
行政がより早い段階で対応できるよう、新たに設けられた区分です。これまでの「特定空き家」よりも軽度な段階で行政指導の対象となり、所有者への注意喚起が強化されています。
緊急代執行制度の導入
倒壊の危険が差し迫っていると判断された場合、命令等の事前手続を省略して実施できる緊急時の代執行制度が導入されました。これにより、空き家の安全対策が強化され、迅速な対応が可能になっています。
今回の法改正により、空き家の早期対応を促す内容となっており、特に相続で空き家を取得し遠方から管理が難しい方にとって、管理の重要性がこれまで以上に増した状況です。気づかないうちに管理不全と判断され、税負担や解体費用が発生するケースを避けるため、早めの検討が重要になっています。
出典: 「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」国土交通省
2.「管理不全空き家」と「特定空き家」の違いと定義
管理不全空き家とは
定義: 居住その他の使用がなされていないことが常態(※概ね1年未使用が参考)で、管理が不十分であり、放置すれば将来的に「特定空き家」に指定される恐れがある状態の空き家を指します。
具体例: 今すぐに危険とは言えないものの、放置すれば問題が生じる可能性のある状態です。
- 雑草の繁茂や屋根の破損
- 安全性が疑われる状態
- 衛生上の問題が生じている状態
- 景観を損なっている状態
- 周辺の生活環境への悪影響が懸念される状態
指定主体: 地方自治体などの行政が指定します。
目的: 特定空き家に指定される前の段階で行政が介入し、早期改善を図ることを目的としています。

特定空き家とは
定義: 居住その他の使用がなされていないことが常態(※概ね1年未使用が参考)で、管理などがほとんどなされていない状態の家を指します。
指定される要因: 空家対策特別措置法において、以下のような状態の家が指定されます。
- そのまま放置すれば、倒壊など著しく保安上危険となる状態
- 著しく衛生上有害となる恐れのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態
両者の関係性
| 区分 | 管理不全空き家 | 特定空き家 |
|---|---|---|
| 状況 | 管理が不十分 | ほとんど管理されていない |
| 危険度 | 将来的にリスクあり | 現在進行形でリスクあり |
| 位置づけ | 予備軍・前段階 | 最終段階 |
管理不全空き家は特定空き家の「予備軍」や「前段階」にあたり、管理不全空き家が改善されない場合に特定空き家へ移行するという関係性になっています。
✓ポイント:管理不全空き家の段階で適切な対応を取ることで、より重いペナルティを回避できます。早期発見・早期対応が鍵となります。
3. 空き家を放置した場合の具体的なペナルティ
空家対策特措法の改正により、行政の対応が強化され、放置された空き家には以下の段階的な措置とペナルティが課されます。
行政による段階的な措置
第1段階:指導
空き家の管理について行政から改善が促される最初の段階です。植木が隣の敷地に侵入しているケースや、窓ガラスが割れっぱなしで放置されているような状態などで指導が入ることが多くなっています。
この段階では特に罰金などはありません。指導の段階で改善できれば、金銭的な罰則を受けることなく指定を外せるため、迅速な対応が重要です。
第2段階:勧告
指導に従わない場合、次の段階として勧告が行われます。
最も大きな影響: 勧告を受けると、「住宅用地特例」が適用されなくなり、土地の固定資産税額が最大6倍、都市計画税も最大3倍に増える可能性があります。
この「住宅用地特例」の適用除外は、改正により管理不全空き家にも適用範囲が拡大された点が特に重要です。
第3段階:命令(特定空き家のみが対象)
特定空き家に指定された場合、勧告を受けても改善が見られない場合に発令されます。命令に対し違反した場合、最大50万円以下の過料が科されることがあります。
過料は行政上の罰則であり、刑事事件ではないため前科はつきません。しかし、固定資産税の負担増に加えて、直接的な金銭の罰則となるため、所有者にとっては大きな負担となります。
第4段階:行政代執行(特定空き家のみが対象)
特定空き家において命令に従わず放置を続けた場合の最終的な罰則です。行政が所有者に代わって建物が強制的に解体される可能性があります。
解体の費用は所有者負担となり、数十万円から数百万円にのぼるケースもあります。自分で解体するよりも高額な費用となる可能性もあるため、所有者にとってメリットはありません。
重要な注意点: 管理不全空き家は行政代執行の対象ではなく、命令・代執行は特定空き家のみが対象となります。
段階別ペナルティ一覧表
| 段階 | 措置内容 | 金銭的負担 | 税への影響 | 対象 |
|---|---|---|---|---|
| 指導 | 改善の促し | なし | なし | 管理不全・特定空き家 |
| 勧告 | 具体的措置要求 | なし | 固定資産税最大6倍都市計画税最大3倍 | 管理不全・特定空き家 |
| 命令 | 強制的措置命令 | 最大50万円の過料 | 上記に同じ | 特定空き家のみ |
| 行政代執行 | 強制解体 | 数十万円〜数百万円 | 上記に同じ | 特定空き家のみ |
放置を続けることで法的・経済的なリスクが現実化する可能性が高まっていることがお分かりいただけるでしょう。
✓ポイント:勧告の段階で固定資産税が大幅に増額されるため、指導を受けた時点での迅速な対応が経済的負担を最小限に抑える鍵となります。
出典:「地方税法」総務省
4. なぜ空き家は増えるのか?増加要因の分析
管理不全空き家や特定空き家が増加する背景には、複数の社会・経済的要因が絡み合っています。
人口減少の影響
日本全体の人口が2010年頃をピークに減少しており、居住者がいなくなった家が増加していることが最も大きな要因です。特に地方部では顕著で、若者の都市部への流出により空き家率が上昇しています。
老朽化した建物の増加
築年数が経過した建物の流通が滞り、住む人がいなくなり放置されることで老朽化がさらに進みます。特に宅地開発され同世代の人が購入したエリアでは、同時期に多くの家が老朽化し、流通しにくくなることで「ゴーストタウン化」の懸念も生じています。
相続問題の複雑化
遺産分割や相続手続きの複雑さ
所有者の死亡後、遺産分割や相続手続きが複雑で時間がかかることが多く、その間に家屋の維持・管理が滞ります。
合意形成の困難
特に複数の相続人が関与する場合、空き家の運用や活用についての合意形成が難しくなり、管理がされないまま放置されるケースがあります。
財政的負担
相続税などの財政的負担に加え、空き家がなかなか売却できない状況では、維持管理費や修繕費用を捻出することも困難になり、結果として放置に至ります。
固定資産税の優遇措置による副作用
建物が建っている土地には「住宅用地特例」が適用され、通常の固定資産税より1/3または1/6まで税額が軽減されます。
この優遇措置があるため、高額な固定資産税を納税したくない所有者が、売却が難しい場合でも建物を解体せずに空き家のまま所有し続ける傾向があります。これが建物の老朽化を招き、最終的に特定空き家や管理不全空き家となる要因の一つとなっています。
✓ポイント:空き家問題は個人の問題だけでなく、社会構造の変化に起因する複合的な課題です。早期の対策を講じることで、これらの要因による悪循環を断ち切ることができます。
出典: 「平成30年住宅・土地統計調査」総務省
「空家等対策の推進に関する実態調査」国土交通省
5. ペナルティを回避するための対策と空き家活用術
空き家を管理不全状態にしないための最も重要な対策は、「早期対応」と「適切な管理・活用」です。
「早期対応」が何よりも重要
管理不全と判断される前に動き出し、余裕をもって売却の相談や手続きを進めることで、勧告や命令による制約や負担を避けることができます。タイミングを逃すと選択肢が限られ、思わぬ不利益を被ることがあるため、計画的な対応が重要です。
具体的な管理・活用方法
活用する選択肢
賃貸に出す - 賃貸物件として活用すれば、収入を得つつ空き家の管理もできます - リフォームが必要な場合は、DIY可能な物件として貸し出すことも選択肢 - 地域の需要に応じて、シェアハウスや民泊としての活用も検討可能
売却する - 空き家を売却することで、管理の手間や費用から解放される最も直接的な方法 - 築年数や立地条件によっては、想定以上の価格で売却できる場合もあります - 売却時期や方法によって価格が大きく変わるため、専門家への相談が重要
解体する - 建物が老朽化し、活用が難しい場合は、解体して更地として売却することも選択肢 - 解体費用はかかりますが、更地の方が売却しやすいケースもあります
適切に管理する方法
定期的な確認・清掃を行う - 庭木の伐採や定期的な換気、通水などを実施し、空き家の劣化を防ぐ - 月1回程度の巡回で、大きな問題を予防できます
信頼できる管理会社への依頼 遠方に住んでいて日常的な管理が難しい場合など、専門家や自治体、空家等管理活用支援法人に相談し、管理を委託することも有効です。
相続登記の義務化を理解する
2024年4月1日から相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に登記が必要となりました。相続した空き家は、早めに管理・処分の検討を始めることが、管理不全状態を避けるための第一歩となります。
出典:「不動産登記法」法務省
空き家の管理に困った場合の相談先
自治体
地域の実情に精通し、法的・行政的なサポートや、地域振興の一環として空き家問題に取り組んでいます。支援プログラムや補助金の提案も期待できます。
不動産会社
不動産の専門知識を持ち、賃貸、売却、管理から最適な活用方法を検討しアドバイスします。広範なネットワークを活かして入居希望者を見つけたり、法的手続きに精通しているため所有者を保護するアドバイスを提供したりします。
地域密着型の不動産会社への相談が成功への近道です。かすみがうら市、土浦市、小美玉市などの地域特性を熟知した専門家に相談することで、最適な解決策を見つけることができます。
NPO法人
地域社会に焦点を当て、住民の利益を最優先に考えるため、地域密着型のサポートが期待できます。
親族
血縁関係による相互の信頼関係があり、所有者の身になった適切なサポートや、相続・法的手続きにおいて共同で解決策を模索しやすい環境があります。
✓ポイント:空き家問題は一人で抱え込まず、信頼できる専門家に早期相談することで、多くの選択肢を確保できます。地域の特性を理解した専門家のアドバイスが、最適な解決策への近道となります。
6. 空き家を売却する際の注意点
空家対策特措法の改正により、管理が不十分な空き家に行政対応が及ぶようになり、放置によるリスクが大幅に高まったため、売却時には特に注意が必要となります。
早期の行動開始と計画的な手続き
管理不全とみなされる前の早い段階で対応を始め、売却の相談や手続きを進めることで、制約や負担を避けることができます。売却には一定の時間がかかるため、余裕を持ったスケジューリングが重要です。
建物の状態確認を怠らない
緊急代執行の対象とされないよう、信頼できる管理者に確認を依頼するなど、最低限の情報共有を行っておくことが望ましい対応です。害虫駆除など、建物の価値を下げないための対策も検討します。
相続した空き家の場合の準備
登記名義の変更や相続税申告など、必要書類や情報の整理を前もって行っておくことが、手続きをスムーズに進める上で不可欠です。相続登記の義務化により、これらの手続きはより重要になっています。
売却方法の選択
| 売却方法 | メリット | デメリット | 適している場合 |
|---|---|---|---|
| 現状売却 | 費用をかけずに売却可能 | 価格が下がる可能性 | 解体費用を負担したくない |
| リフォーム後売却 | 高値での売却が期待 | 初期投資が必要 | 築年数が浅く構造に問題がない |
| 解体後売却 | 更地として活用しやすい | 解体費用が必要 | 建物の老朽化が激しい |
地域の特性を理解した専門家への相談
地域特有の不動産事情や規制を熟知し、適切な売却方法を提案できる不動産会社への相談が重要となります。やまや不動産では、かすみがうら市、土浦市、小美玉市の地域特性を活かした売却戦略をご提案いたします。
✓ポイント:空き家の売却は、建物の状態や地域特性、市場動向を総合的に判断して進める必要があります。専門家のアドバイスを受けながら、最適なタイミングと方法で売却することが成功の鍵となります。
7. まとめ
空家対策特措法の改正は、軽度な劣化でも行政指導の対象となり、固定資産税の増額や過料、強制解体といったリスクが高まったことを意味しています。特に「管理不全空き家」という新たな区分の設置により、従来よりも早い段階でペナルティが発生する可能性が高くなりました。
こうした事態を避けるためには、空き家を放置せず、できるだけ早い判断と対応で、売却や適切な管理を検討し、計画的な手続きを始めることが極めて重要です。勧告を受けてからでは選択肢が限られ、経済的負担も大きくなってしまいます。
空き家の管理や活用に困った際は、自治体や不動産会社など、信頼できる専門機関に早めに相談することを強く推奨いたします。やまや不動産では、かすみがうら市、土浦市、小美玉市の地域特性を熟知した専門スタッフが、お客様一人ひとりの状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。
空き家問題は決して一人で解決する必要はありません。適切な情報と専門家のサポートがあれば、必ず最良の選択肢を見つけることができます。お困りの際は、お気軽にご相談ください。
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