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  • 2026.09.14
  • コラム

Info兄弟で相続した実家を売却するには?「とりあえず共有名義」にする前に知っておきたいこと

兄弟で相続した実家を売却するには?「とりあえず共有名義」にする前に知っておきたいこと

親が亡くなり、兄弟で実家を相続することになったとき、「今は決められないから、とりあえず兄弟全員の共有名義にしておこう」と考える方もいます。

もちろん共有名義そのものが間違いではありません。しかし、将来的に売却する可能性が高いのであれば、共有名義にする前に考えておきたいことがあります。

不動産は預金のように簡単に均等分割できません。また、共有者ごとに売却への考え方が違うと、売りたいときに売れない状態になることがあります。

この記事では、既存記事「相続した不動産を兄弟で分ける方法とトラブル回避術」とは視点を変え、兄弟で相続した実家を売却するまで揉めないための進め方に絞って解説します。

目次

  1. 兄弟で実家を相続すると売りたいときに売れないことがある
  2. よくあるトラブルは「価格」と「時期」の意見対立
  3. 遺産分割の前に査定しておくメリット
  4. 「思い出」と「経済的価値」を分けて話す
  5. 共有するなら4つのルールを決める
  6. 相続登記を放置しない
  7. 売却する場合の進め方
  8. まとめ:兄弟全員が同じ情報を持つことが第一歩

1. 兄弟で実家を相続すると売りたいときに売れないことがある

例えば兄弟3人で実家を共有している場合、実家全体を売却するには、原則として共有者全員が売却に同意する必要があります。

兄は「管理が大変だから早く売りたい」、弟は「高く売れるまで待ちたい」、妹は「親との思い出があるので残したい」というように意見が分かれると、売却は進みません。

さらに時間が経つと、固定資産税、草刈り、建物修繕、火災保険などの負担についても話し合いが必要になります。

相続した直後は家族関係に問題がなくても、長期間共有状態が続くことで意見の違いが表面化することがあります。

2. よくあるトラブルは「価格」と「時期」の意見対立

共有不動産の売却で特に起こりやすいのが、売却価格についての意見の違いです。

例えば、不動産会社の査定が2,000万円だった場合でも、「1,800万円でも早く売りたい」と考える人と、「親の家だから2,300万円以下では売りたくない」と考える人がいるかもしれません。

価格だけでなく、「今売るのか」「1年待つのか」でも意見は分かれます。その間にも固定資産税や管理費はかかり、建物の老朽化も進みます。

✓ポイント
不動産を兄弟で相続するときは、「どう分けるか」だけでなく「最終的にその不動産をどうするのか」まで話しておくことが重要です。

3. 遺産分割の前に査定しておくメリット

兄弟で遺産分割を話し合う前に、不動産会社へ価格査定を依頼しておく方法があります。

査定価格がそのまま売却価格になるわけではありませんが、「現在の市場ではどの程度の価値があるのか」という共通の判断材料になります。

例えば、相続財産が次のような内容だったとします。

  • 実家:査定価格2,000万円程度
  • 預貯金:1,000万円

不動産のおおよその価値が分かれば、誰が実家を取得するのか、売却して現金で分けるのかなど、具体的な話をしやすくなります。

「査定したら売らなければいけない」と考える必要はありません。むしろ、家族で公平に話し合うために客観的な価格を確認することが目的です。

4. 「思い出」と「経済的価値」を分けて話す

相続した実家には、家族それぞれの思い出があります。そのため、「売った方が経済的に得だから売ろう」という説明だけでは納得できない人がいても不思議ではありません。

話し合う際は、感情面と経済面を分けて整理することが大切です。

例えば、「親との思い出があり家を残したい」という気持ちを共有した上で、「毎年いくら維持費がかかるのか」「誰が管理するのか」「10年後も誰も住まない可能性があるのか」を別に確認します。

その結果、「家財や写真は残すが不動産は売却する」「一定期間だけ保有し、その後売却する」といった折衷案が見つかる場合もあります。

5. 共有するなら4つのルールを決める

すぐに売却するか決められず、兄弟共有で保有する場合は、最低限次の4つを決めておきましょう。

  1. 固定資産税を誰が支払うか
  2. 草刈り・清掃などの管理を誰が行うか
  3. 修繕費をどの割合で負担するか
  4. いつ売却について再度話し合うか

特に4つ目が重要です。「また今度考えよう」ではなく、「1年後にもう一度話す」「○年までに利用予定がなければ売却を検討する」と期限を決めることで、共有状態が何年も続くことを防ぎやすくなります。

6. 相続登記を放置しない

2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。法務省によると、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を行う必要があります。

また、2024年4月1日より前の相続で未登記になっている不動産についても義務化の対象で、一定の場合は2027年3月31日までに申請が必要です。

「兄弟の話がまとまらないから親名義のままにしておこう」という対応は避けましょう。遺産分割がまとまらない場合に利用できる「相続人申告登記」という制度もありますが、実際に不動産を売却するためには、状況に応じた適切な相続登記が必要です。

参考:法務省|相続登記の申請義務化に関するQ&A

7. 売却する場合の進め方

兄弟で相続した実家を売却する場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。

  1. 相続人・遺言書・登記状況を確認する
  2. 実家の査定を取得する
  3. 相続人全員で売却方針・希望価格・時期を話し合う
  4. 遺産分割・相続登記を進める
  5. 不動産会社と媒介契約を結び販売を開始する
  6. 購入申込みが入った際の判断方法をあらかじめ決めておく
  7. 売買契約・引き渡し後に代金を分配する

購入申込みが入ってから兄弟で価格を相談すると、回答が遅れて買主を逃す可能性があります。「○万円以上なら売却する」「値下げは○万円まで」など、事前に一定の基準を決めておくとスムーズです。

あわせて、売却代金の分け方だけでなく、売却までに発生する費用の負担方法も確認しておきましょう。仲介手数料、測量費、残置物処分費、解体費、登記費用などが必要になる場合、誰が一時的に立て替えるのか、最終的に売却代金から差し引くのかを決めておくと揉めにくくなります。

また、兄弟のうち1人が遠方に住んでいる場合は、契約時や引き渡し時に全員がどのように手続きするのかも早めに不動産会社や司法書士へ相談しましょう。仕事や家庭の事情で予定を合わせにくい場合でも、事前に必要書類や手続き方法を確認することで、売却スケジュールを立てやすくなります。

8. まとめ:兄弟全員が同じ情報を持つことが第一歩

兄弟で相続した実家をめぐるトラブルを防ぐには、最初から結論を一致させることよりも、全員が同じ情報を持って話し合うことが大切です。

「現在いくらで売れそうなのか」「年間いくら維持費がかかるのか」「建物を残して売れるのか」「相続登記はどうなっているのか」といった情報を共有すれば、感情だけの議論になりにくくなります。

やまや不動産では、かすみがうら市・土浦市・小美玉市周辺の相続不動産についてご相談を受け付けています。「まだ兄弟で売却が決まっていない」という段階でも、まず実家の価値を把握することができます。

相続や登記について専門的な判断が必要な場合は、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にも確認しながら進めましょう。

▶ 兄弟で相続した実家の査定・売却について相談する